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政治

公明党こそ「政治停滞」の主犯

自民党「創価学会依存」で続く悪弊

2022年1月号

 独善的だった前任者二人とは対照的な低姿勢を続ける総理大臣・岸田文雄の下でも、政権として見れば、公明党が政策にブレーキをかけ、時に歪める構図は変わらない。二十三年目に入った自由民主党と公明党の友党関係こそが政治の停滞の「元凶」と知りながら抜け出せない閉塞感が、一層色濃く永田町、霞が関を覆っている。
 日本はどれだけ財政出動を行っても問題ないと唱え、「バラマキ思想」の伝道者と化した元総理大臣・安倍晋三が、「最初から筋が悪かった」と切り捨てた歳出がある。新型コロナウイルス対策のための十八歳以下への十万円給付だ。
 安倍ばかりでなく多くの自民党議員が首をかしげた政策は、迷走した。事務を担う地方自治体が「五万円現金、五万円クーポン」方式の煩雑さに反発すると、岸田は全額現金給付も認める方式にあっさりと転換したからだ。岸田も自民党も公明党主導のこの政策に、何ら思い入れがなかった証左だ。
 先の総選挙で与党は絶対安定多数を維持できたとはいえ、自民党は候補者を一本化した野党を相手に小選挙区では議席を減らした。薄氷の勝利も多く、公明党を支える創価学会が自民党票の底上げをしな・・・