「新しい資本主義」に騙されるな
岸田を操る「お友達」の素性と思惑
2021年12月号
衆院総選挙での善戦を受けて、選挙公約から早々に取り下げた金融所得課税を改めて検討すると発表し、資本市場への厳しい姿勢を隠さなくなった岸田文雄政権。中核的スローガンに掲げる「新しい資本主義」については、「新しい資本主義実現会議」が組織され、既に二回の会合が開かれている。だが、いまだにそのコンセプトが明確に伝わってこない。有識者の人選も財界の代表・起業家・投資家と、よく言えば多様性に富み、悪く言えばバラバラでまとまりがない。
「岸田さんがやりたいのは公益資本主義に基づく、資本市場の締め付けだよ」
そう明かすのは政権に近しいある経営者だ。公益資本主義とは、会社は株主だけのものではなく、従業員や顧客、社会や環境など広いステークホルダーにより配慮した経営をすべきだとする概念だ。近年持て囃されている「ESG」に近い。ただしESGが投資の用語で、中長期の株主価値の最大化を志向するのに対して、公益資本主義は、後述するように株主価値をある種敵視している点が異なる。
源流「公益資本主義」の胡散臭さ
・・・
「岸田さんがやりたいのは公益資本主義に基づく、資本市場の締め付けだよ」
そう明かすのは政権に近しいある経営者だ。公益資本主義とは、会社は株主だけのものではなく、従業員や顧客、社会や環境など広いステークホルダーにより配慮した経営をすべきだとする概念だ。近年持て囃されている「ESG」に近い。ただしESGが投資の用語で、中長期の株主価値の最大化を志向するのに対して、公益資本主義は、後述するように株主価値をある種敵視している点が異なる。
源流「公益資本主義」の胡散臭さ
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