「憲法改正」岸田が本気に
「ハト派総理」ゆえの好機到来
2021年12月号
憲法改正を阻む堅牢な防御を突破するため、「北風政策」を「太陽政策」に戻す。総理大臣・岸田文雄の政権約二カ月の取り組みは、そんな印象を与える。露骨な改憲路線でかえって反対派の結束を固めさせた元総理大臣・安倍晋三とは違う手法で初の憲法改正を目指す岸田の野望は、実現可能性を高めるために中身がゆがむ二律背反の道を歩ませている。
自由民主党が絶対安定多数を得た十月三十一日の衆議院総選挙の後、岸田は「自分の任期中の憲法改正」への意欲を示した。
伝統的に護憲色が強い派閥「宏池会」を率いてきた岸田の姿勢を「最大派閥の領袖となった安倍に揺さぶられないよう、改憲路線のポーズを見せているだけ」と見る解説は多い。ただ、第百一代総理大臣に指名された特別国会の前後から、岸田は着々と布石を打っているようにも見える。
人事に表れた「本気度」
まず、衆議院憲法審査会長を十月の臨時国会まで務めた細田博之が衆議院議長に就いた後に、森英介の再登板を求めた人事だ。
会長ポストを狙う議員は、山ほどいる。自民党総裁・・・
自由民主党が絶対安定多数を得た十月三十一日の衆議院総選挙の後、岸田は「自分の任期中の憲法改正」への意欲を示した。
伝統的に護憲色が強い派閥「宏池会」を率いてきた岸田の姿勢を「最大派閥の領袖となった安倍に揺さぶられないよう、改憲路線のポーズを見せているだけ」と見る解説は多い。ただ、第百一代総理大臣に指名された特別国会の前後から、岸田は着々と布石を打っているようにも見える。
人事に表れた「本気度」
まず、衆議院憲法審査会長を十月の臨時国会まで務めた細田博之が衆議院議長に就いた後に、森英介の再登板を求めた人事だ。
会長ポストを狙う議員は、山ほどいる。自民党総裁・・・