広告の最も重要な要素は真実である―。米国の有名なコピーライター、ウィリアム・バーンバックの言葉だ。彼は、ドイツ車のフォルクス・ワーゲン・ビートルを米国市場で爆発的に売ったキャンペーンの仕掛け人として知られる。また、大統領選で世界初といわれるネガティブキャンペーンを繰り広げた人物でもある。カリスマ広告マンであるバーンバックは、真実という要素を巧みに使い広告で社会を動かした。彼が活躍した太平洋戦争後の経済拡大期は、社会における広告の存在感が増していく黄金時代だった。
　今日でも、広告は社会の重要な要素である。ネットの出現により、広告に接する機会はむしろ増えているだろう。それに比例するように広告が邪魔だと感じる人も多くなっている。

広告が少ないと「読了率」高く

　今秋、広告業界でちょっとした話題を呼んだのが毎日新聞のあるツイートだ。同紙のニュースサイトをＰＲするもので、アプリ上で記事が読める機能について宣伝した。ツイートの最後には「広告なしの毎日新聞ニュースアプリで快適にお楽しみください！」と書かれてい・・・