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世界「気候戦争」の熾烈

米中が狙う「環境技術」の覇権

2021年11月号特別リポート

 英国グラスゴーで開幕した「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」が、地球温暖化問題を話し合う中、米国を中心にしたG7(主要七カ国)と中国の間で、経済・技術の次世代盟主を巡る争いが始まっている。
 貿易戦争や技術競争に次いで、「気候戦争」と呼ばれる争いは、地球温暖化時代の技術覇権競争だ。新しい環境関連の市場規模は、八千兆円規模と推計される。
 中国はまた、温暖化防止対策で各国と協力する条件に、人権問題など中国の国内政治に口出ししないよう求めている。世界最大の温暖化ガス(二酸化炭素)の排出国が、地球環境問題を臆面もなく「政治化」しているのである。
 米国内では、中国に対抗するため、G7間の協力を環境や科学技術でも強化せよとの声が強まっている。COPでの「地球を救え」の議論とは離れて、地球環境の運命は、日米欧対中国の気候戦争の行方に握られているようだ。

G7でやらないと「中国に勝てない」

 COP開幕を控えた十月末。
 世界中の政府首脳たちは、環境問題への取・・・