「地銀界における副業・兼業解禁や多様な働き方推進の流れに水を差しかねない」といった懸念の声も聞こえてくる。
　今年十月上旬に就業規則無視による懲戒解雇事案が表面化した北海道銀行。本部に勤務する男性行員二人が原則、認められていない副業を行い、短期間に八百万円を超える収入を得ていたというものだが、その無軌道ぶりに金融関係者らも呆れ返る。
　何しろ二人は昨年秋に会社を立ち上げ、今年一～八月にかけて営業店勤務時代に知り合った銀行顧客約十人を含む顧客らに銀行とはまったく関係のない投資会社の金融商品購入を勧誘。この投資会社から手数料などを受け取っていたというのだから。しかも発覚したのは「就業時間中に副業を行っているところを同僚が見つけたのがきっかけ」（関係者）。要するに授業中にせっせと“内職”しているのがばれたようなものだ。
　北海道銀では行員らが勧誘していた商品について「電気機器関連の投資商品」としか明らかにしていないが、「違法性」については否定。勧誘を受けた顧客からのクレームも現時点で受けてはおらず、「顧客情報の不正利用などもない」（同前）・・・