TPPは「中台加盟」で決着する
通商戦略「練り直し」が日本の急務
2021年11月号
米国の離脱で半身となった環太平洋連携協定(TPP)が、にわかに注目を浴びている。中国と台湾が相次いで加盟を申請、英国の加盟に向けた交渉が始まり、閣僚級会合である「TPP委員会」の議長国として日本は指導力を期待される局面だ。日本政府は「台湾は歓迎、中国は慎重」という姿勢だが、結論を出す前にTPPの成果の検証を急ぎ、通商戦略全体を練り直すべきだ。
その際に重要なのは、米国が離脱する前のTPPと現在発効している「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)の混同を避けることだ。外務省は「TPP11」と表記してTPPとCPTPPの連続性を強調しているが、そのような協定は存在しない。TPPとCPTPPは異なる協定であり、海外メディアは正確にCPTPPと報道している。
オリジナルのTPPは、米国を含む十二カ国が合意した協定で、米国が要求した労働や環境、知的財産権、投資のルールに関する厳しい条項が含まれている。米国が「貿易協定のゴールド・スタンダード」(ヒラリー・クリントン元国務長官)と絶賛し、日本が「二十一世紀型の通商ルールの礎」(安倍元首相)と・・・
その際に重要なのは、米国が離脱する前のTPPと現在発効している「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)の混同を避けることだ。外務省は「TPP11」と表記してTPPとCPTPPの連続性を強調しているが、そのような協定は存在しない。TPPとCPTPPは異なる協定であり、海外メディアは正確にCPTPPと報道している。
オリジナルのTPPは、米国を含む十二カ国が合意した協定で、米国が要求した労働や環境、知的財産権、投資のルールに関する厳しい条項が含まれている。米国が「貿易協定のゴールド・スタンダード」(ヒラリー・クリントン元国務長官)と絶賛し、日本が「二十一世紀型の通商ルールの礎」(安倍元首相)と・・・