岸田「真空総理」の難儀な政権運営
「安倍依存」なら失速は早い
2021年10月号
岸田文雄政権には最高実力者と呼ばれる存在が登場するだろうか。本来は首相がそうであるべきだが、岸田氏がそうなるとは誰も思っていない。「昨年の自民党総裁選で敗北し、岸田は終わったと言われた。岸田は変わった」。今回の総裁選序盤で繰り返されたキャッチフレーズだが、六十四歳までにできあがった政治家の資質が、一年の反省と努力で根本的に変わるはずもない。「聞く力」「信頼される政治」「ボトムアップ型リーダーシップ」。岸田氏自身が総裁選で繰り返し、政権運営を首相主導の「政高党低」から官邸と党の力を均衡させ「政高党高」へ変えると予告していた。
政権のスタイルは、権力闘争の勝ち方によって決まる。第二次安倍晋三政権は、総裁選の逆転劇に貢献した麻生太郎、菅義偉両氏を一貫して重用し、石破茂氏を終始ライバルと位置づけた。第一次政権の挫折後、安倍氏に再起を促してきた取り巻きたちが、そのまま官邸主導の首相側近として権力を振るった。菅前首相は、政権を事実上禅譲された安倍氏に絶えず忖度し、菅政権の「生みの親」となった二階俊博前幹事長には終始平身低頭であった。
しかし、岸田政権誕生の経緯・・・
政権のスタイルは、権力闘争の勝ち方によって決まる。第二次安倍晋三政権は、総裁選の逆転劇に貢献した麻生太郎、菅義偉両氏を一貫して重用し、石破茂氏を終始ライバルと位置づけた。第一次政権の挫折後、安倍氏に再起を促してきた取り巻きたちが、そのまま官邸主導の首相側近として権力を振るった。菅前首相は、政権を事実上禅譲された安倍氏に絶えず忖度し、菅政権の「生みの親」となった二階俊博前幹事長には終始平身低頭であった。
しかし、岸田政権誕生の経緯・・・