―安倍晋三、菅義偉の二代の政権をどう評価しますか？

　渡辺　両政権の時代は、日本を壊した九年だった。
　最たる例が、新型コロナウイルスへの対応だ。安倍政権は米・英両国で始まった「新自由主義」にならい、国家の役割を減らし、行政機関を削って、企業の競争力回復を図った。
　特に医療・公衆衛生分野が狙われた。出費がかさむ感染症病床を減らし、保健所が削られた。一九九〇年代と比べると、感染症病床は五分の一以下になり、保健所は八百以上あったものが、四百五十以下に減らされた。最悪のタイミングでパンデミックが起きた。
　その結果、日本では、ＰＣＲ検査が間に合わず、本来入院すべき患者がどこにも入院できずに「自宅療養」とされるという、起きてはならない事態が全国で生じた。パンデミックはもう、十八カ月も続いている。これは政治の失敗以外、何物でもない。

　―内情は知られていません。

　渡辺　メディアが報じないからだ。日本では毎・・・