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WORLD

サハラに群がる「戦争の犬たち」

政変頻発の陰に「ロシアの傭兵」

2021年10月号

「アフリカでクーデター」というニュースが、世界の耳目を引かなくなって久しい。だが、最近のように政変が頻発すると、「何かが起きている」と考えたほうがよい。
 アフリカでの内紛介入で味をしめた傭兵たちが、現代版の「戦争の犬たち」さながらに無法の限りを尽くし、潜在的な資源大国の政争に加わっているのだ。
 今夏、リビアのある場所で、ロシア人傭兵たちが去った野戦テントから、韓国サムスン社製のタブレットが見つかった。
 データを再現すると、残虐な映像が現れた。持ち主と思われる傭兵たちが、虜囚の男性に激しい暴力を加えている瞬間である。撮影したのは、傭兵たちの一人だ。どうやら、「わが社はこんなこともできます」という、プロモーション・ビデオのようにも見える。
 西欧在住のある人権活動家は、「PR用として、意図的に残していった可能性がある。こんなに戦闘力が高いなら、ぜひ使ってみたいと思わせるためだ」と言う。
 タブレットの元の持ち主は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル・グループ」の一員と見られる。目下、アフリカ諸国の内乱や武力抗争で、顧客獲得率の高い傭兵供給・・・