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社会・文化

デジタル庁「巨額利権」を狙う米国

トップ人事を巡る「醜聞」の裏側

2021年9月号

 菅義偉首相の肝煎りで九月一日に発足したデジタル庁の人事を巡って、八月五日、政府関係者のリークによる驚きのニュースが報じられた。
 内容は、デジタル庁の事務方トップとなる「デジタル監」に、海外で名の通った実業家である伊藤穰一氏が就任する方向で最終調整しているというものだった。
 伊藤氏とは、国外で「Joi Ito(ジョイ・イトウ)」という英語名で知られ、米国の名門マサチューセッツ工科大学(MIT)で先端技術を研究する世界的な研究施設「メディアラボ」の初代所長を務めた人物だ。
 ただ、海外ニュースに感度の高い人であれば、伊藤氏の名前がデジタル庁の事務方トップ人事に浮上していると知ってひっくり返ったに違いない。なぜなら、彼は少女への性的虐待や人身売買などの罪で起訴された米国人実業家のジェフリー・エプスタイン元被告(獄中で自殺)から多額の資金提供を受けていたとして、メディアラボ所長の職を辞任していた過去があるからだ。
 結局、発表後に各方面から反発が湧き起こったことで、伊藤氏のデジタル監就任は見送られた。しかし、「実はこの話の裏にはさらに別の思惑が潜ん・・・