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経済

大和証券「石炭火力」の悪事は続く

提携相手「大和ハウス」が激怒

2021年9月号

 敷島のやまとごころを人とはば朝日ににほふ山ざくら花
 大和とは、一説によれば、歴代中国王朝から「倭=卑しい者」と蔑称されていたヤマト朝廷がこれを嫌い、大を冠して「大倭」とし、やがて「大和」へ転じて国号の元になったのが由来という。一千年後、本居宣長が『敷島の歌』に詠じた通り、赫奕と昇る朝日に照らされた山桜のように気高く、動じず、潔く生きる覚悟こそ大和心とされてきた。しかし……。
 大和証券グループ本社と大和ハウス工業―。いずれも「大和」を社名に謳うふたつの会社が現在、ある石炭火力発電所をめぐってくんずほぐれつの格闘を続けている。両社の威信がかかるとはいえ、とりわけ大和証券本社には大和心の美徳は欠片もない。同社からはこんな怨嗟の声が聞こえる。
「あの二人の独善と保身は見苦しい。失敗を糊塗するためにいつまで会社のリソースを使うんだ」
 二人とは、大和証券本社の副社長・松井敏浩と常務・荒木秀輝。二〇一六年一月、電気事業のインフラファンド、IDIインフラストラクチャーズへ五〇%出資し、電気事業投資でひとヤマ当てようと意気込んだ・・・