新大学評判記 第21話
国際教養大学 中嶋嶺雄の功績を無にする凋落
2021年9月号
「国際水準のリベラルアーツ(教養)教育」「就職率百%」と喧伝され、「秋田の奇跡」とうたわれた新興の国際教養大学(AIU=Akita International University)が、新型コロナ禍に伴う国際系大学の地盤沈下で苦境に陥っている。
著名な中国専門家の故中嶋嶺雄初代学長が開学した同大学は、日本に大学革命を巻き起こす勢いだったが、後を継いだ鈴木典比古学長は「引きこもり学長」と揶揄され、指導力や創造力はほとんどなかった。六月に就任したスリランカ人の三代目、モンテ・カセム学長は、中国共産党との関係が噂され、秋田県警公安が尾行調査する。メディアの注目も激減し、現状では「ローカル大学」に埋没してしまう恐れがある。
二〇〇四年、挫折した米ミネソタ州立大学秋田校のキャンパスを引き継いで秋田市東部の雄和地区に開学した国際教養大は、当時の寺田典城知事が新しい国際系大学の創設を中嶋に要請し、公立大学法人としてスタートした。
東京外国語大学学長時代、自らの改革が、大学に巣くう左翼守旧派教授の抵抗で阻止され、挫折感を持つ中嶋は、日本にない世界標準の新・・・