《クローズ・アップ》漆間 啓(三菱電機社長)
反省なき恥知らずな内部昇格
2021年9月号
製品検査の不正に次ぐ不正、パワハラによる若手社員の自殺や過労死と、日本を代表するブラック企業となった三菱電機は、杉山武史社長が責任をとって辞任し、漆間啓専務執行役が社長に昇格した。一方で、柵山正樹会長は留任しており、経済界では批判を回避するためだけの「社長の首のすげ替え」と厳しい視線が向けられている。
今回の社長人事で改めて注目されたのは、次期社長の決定権を持つ指名委員会とそれを主導する社外取締役の存在だ。
「今回は杉山社長の突然の辞任だったため、我々、社外取締役が自発的に動き、漆間氏を選んだ」。三菱電機の社外取締役で、指名委員会委員長の藪中三十二氏は経済誌のインタビューにこう答えた。元外務次官の藪中氏が突如、ブラック企業の社外取締役としてメディアに登場したことに驚いた人も多かっただろう。
藪中氏は北米局第二課長として一九八〇年代後半に困難を極めた日米構造協議に携わり、二〇〇二年にアジア大洋州局長に就くと、北朝鮮による拉致被害者の救出、核開発中止などを求める六カ国協議の日本側代表を務めた。外交交渉のエキスパートとして名を上げ、次官の座を射止めたものの・・・
今回の社長人事で改めて注目されたのは、次期社長の決定権を持つ指名委員会とそれを主導する社外取締役の存在だ。
「今回は杉山社長の突然の辞任だったため、我々、社外取締役が自発的に動き、漆間氏を選んだ」。三菱電機の社外取締役で、指名委員会委員長の藪中三十二氏は経済誌のインタビューにこう答えた。元外務次官の藪中氏が突如、ブラック企業の社外取締役としてメディアに登場したことに驚いた人も多かっただろう。
藪中氏は北米局第二課長として一九八〇年代後半に困難を極めた日米構造協議に携わり、二〇〇二年にアジア大洋州局長に就くと、北朝鮮による拉致被害者の救出、核開発中止などを求める六カ国協議の日本側代表を務めた。外交交渉のエキスパートとして名を上げ、次官の座を射止めたものの・・・