中国「巨額貯蓄」が世界経済の爆弾に
バブルマネー「五千兆円」の脅威
2021年9月号
世界最大を誇る中国の貯蓄マネーが、まもなく世界の資本市場にデビューする。
最初は、香港、マカオに中国広東省の九都市を加えたグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)で、実験的に金融投資商品を発売するだけだが、世界の市場関係者の間では「中国マネーの扉が開く」との期待が高まっている。
中国人と言えば、新型コロナウイルス感染前は、ニューヨークやパリ、東京での爆買いの主役だった。派手な使いぶりからは意外だろうが、中国の国民が人民元を外貨に交換できるのは、一人当たり年間五万ドルまでという上限が設けられている。それも、旅行や留学、消費などに、使途を限られる。海外での投機など論外だった。
新制度は「ウェルス・マネジメント・コネクト(理財通)」と呼ばれ、利用者は百万元(約一千七百万円)まで投資できる。実験場所に大湾区を選んだのも、香港という世界への窓口を抱え、住民の暮らしにゆとりがあり、先進経済地域であるからだ。今年中にスタートする予定で、展開次第では実験拡大も視野に入れている。
在京証券関係者は、「仮に中国人が外貨交換する金額の一割を、買い物ではなく投資に・・・
最初は、香港、マカオに中国広東省の九都市を加えたグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)で、実験的に金融投資商品を発売するだけだが、世界の市場関係者の間では「中国マネーの扉が開く」との期待が高まっている。
中国人と言えば、新型コロナウイルス感染前は、ニューヨークやパリ、東京での爆買いの主役だった。派手な使いぶりからは意外だろうが、中国の国民が人民元を外貨に交換できるのは、一人当たり年間五万ドルまでという上限が設けられている。それも、旅行や留学、消費などに、使途を限られる。海外での投機など論外だった。
新制度は「ウェルス・マネジメント・コネクト(理財通)」と呼ばれ、利用者は百万元(約一千七百万円)まで投資できる。実験場所に大湾区を選んだのも、香港という世界への窓口を抱え、住民の暮らしにゆとりがあり、先進経済地域であるからだ。今年中にスタートする予定で、展開次第では実験拡大も視野に入れている。
在京証券関係者は、「仮に中国人が外貨交換する金額の一割を、買い物ではなく投資に・・・