「なんで、あのタイミングで発表するのか」
　東京五輪組織委員会のスポンサー対応業務について詳しい関係者の一人は、こう漏らした。五輪開幕の、わずか四日前に五輪関連ＣＭの放送中止を決めたトヨタ自動車についての嘆きである。
　開会式の一週間前になって、オープニング映像の音楽を担当していたミュージシャンの「いじめ問題」がクローズアップされたのはご存じの通り。トヨタの五輪関連ＣＭ放送中止は、その最中、七月十九日に発表され、当該ミュージシャンの辞任も同日に決まった。
　冒頭の関係者は、「大会開幕に向けて盛り上げるべきときに、なぜスポンサーが冷や水をかけるのか」と言いたいのだろう。

電通や組織委の「恨み節」

　トヨタは国際五輪委員会（ＩＯＣ）の最上位スポンサーである「ワールドワイドオリンピックパートナー」の一社だ。そのトヨタが五輪向けのＣＭ放送を取りやめるとの発表は、海外の主要メディアも相次いで報道した。これを受けて、組織委員会や電通では落胆が広がった。電通関係者が語る。
「トヨタは・・・