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連載

マスコミ 業界 ばなし

2021年7月号

「創価学会が聖教新聞の印刷委託で関係の深い毎日新聞と距離を置き始めたのでは」との観測が出ている。
 聖教新聞の配達は自前で行われてきたが、高齢化などのため、新聞社との連携を模索。その結果、昨年春、茨城県全域で、毎日ではなく読売新聞の販売店への委託がスタートした。この夏には新たに兵庫県内でも委託開始し、関西、関東を中心に読売への委託は年内にも約十カ所に拡大し、さらに増えると見られている。また、秋田魁新報、愛媛新聞、長崎新聞などの受託も決まり、地方紙の参戦も全国的に広がりそうだ。
 聖教新聞といえば、公明新聞と合わせ、毎日新聞系の印刷会社が大々的に印刷を引き受けていることで知られる。学会内にはなお、毎日への配慮を求める声があるとはいえ、経営悪化で販売網が衰退する毎日との提携には消極論が増しているようだ。毎日社内には「このままでは、印刷も読売や地方紙に奪われるのではないか」との疑心暗鬼さえあるという。
 一方、創価学会との関係を深める読売新聞側にも、切実な事情がある。二〇二一年三月期の決算で、読売新聞グループ本社の最終利益は、主要六社で約四十一億円の赤字に沈んだ・・・