中国政府は心底「国民」を恐れている
マイルズ・ユー(余茂春)/元米国務長官首席顧問
2021年7月号
―G7サミットの評価は?
ユー 価値観を共有する民主主義国が、中国の脅威について、アジアだけでなく、地球的規模の脅威であると認識したことは、とても意義がある。
六月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が、「集団的自衛権行使」を定めた第五条を再確認したのも、極めて重要だ。アジアで米国が攻撃を受けた時でも、NATOはコミットするということだ。私は日本とオーストラリアもNATOに加盟するべきだと思っている。
習近平国家主席は「社会主義の究極的勝利」を確信している。ソ連と比べると、今の中国には、先進技術と経済力がある。コミュニケーション、ネットワークも管理できる。他国を支配する意思、能力、機会を備えている。
―中国は以前、「平和的共存」を求めていました。
ユー 毛沢東も鄧小平も「平和的共存」を唱えた。だが、実際に平和的だったことは一度もない。隣国インドやベトナムと戦争し、領土をめぐって韓国やミャンマーとも争った。
毛・・・
ユー 価値観を共有する民主主義国が、中国の脅威について、アジアだけでなく、地球的規模の脅威であると認識したことは、とても意義がある。
六月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が、「集団的自衛権行使」を定めた第五条を再確認したのも、極めて重要だ。アジアで米国が攻撃を受けた時でも、NATOはコミットするということだ。私は日本とオーストラリアもNATOに加盟するべきだと思っている。
習近平国家主席は「社会主義の究極的勝利」を確信している。ソ連と比べると、今の中国には、先進技術と経済力がある。コミュニケーション、ネットワークも管理できる。他国を支配する意思、能力、機会を備えている。
―中国は以前、「平和的共存」を求めていました。
ユー 毛沢東も鄧小平も「平和的共存」を唱えた。だが、実際に平和的だったことは一度もない。隣国インドやベトナムと戦争し、領土をめぐって韓国やミャンマーとも争った。
毛・・・