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経済

《地方金融の研究》きらやか銀行

じもとHD「赤字転落」の元凶

2021年7月号

「広域統合行における企業統治態勢の甘さが招いた典型的な失敗例ではないか」。金融庁関係者らが苦り切る。
 二〇二一年三月期決算で一二年秋のグループ結成以来、初の最終赤字に陥ったじもとホールディングス(HD)。最終損失額は三十一・七六億円と、十七億円強の黒字だった前期から五十億円近く悪化。減配を余儀なくされ、足掛け十年にわたってトップを務めてきた初代社長・粟野学の引責辞任にまで発展した。
 原因はほかでもない。傘下二行のうち宮城県を地盤とする仙台銀行が八期ぶりの増収増益を達成したのに対し、山形県本拠のきらやか銀行が十二期ぶり、しかも過去最悪の赤字に転落してしまったからだ。最終損失は四十八・五五億円(前期は十一億円余の黒字)に達し、仙台銀が稼ぎ出した純利益十七・一七億円をすべて食い潰す形となり、粟野は兼務していたきらやか銀頭取のポストも辞任。〇八年四月の頭取就任以来の“治世”に自ら終止符を打ち、六月下旬、代表権のない同行会長に退いた。

「SBIの軍門に下るハメに」

 きら・・・