二酸化炭素「地下貯留」という新利権
公共エコ事業の裏側と「地震リスク」
2021年7月号
地球温暖化対策の新たな切り札として「二酸化炭素回収・地下貯留(CCS)」への関心が劇的に高まっている。火力発電の削減、再生可能エネルギーの拡大だけでは、日欧米の主要国が目指す今世紀半ば頃の「カーボンニュートラル」達成は明らかに困難。発電所や工場から出る二酸化炭素を回収して地層に注入するCCSは最も有力な解決策だからだ。だが、大量に貯留可能な地下構造を確保するのは簡単ではない。「新たな資源」としてCCS適地の獲得競争が始まっている。一方で、地層への注入が始まった地域では、微小地震の頻発など不気味な影響も出始めている。
北海道・苫小牧港。東側に広がる出光興産の製油所の隣接地で同製油所の出す二酸化炭素を対象にCCSの大規模実証試験が二〇一二年から進められている。一九年十一月には地下貯留した二酸化炭素の累積量が三十万トンを突破、「日本のCCSの金字塔」と主導した経済産業省は歓喜した。ただ、直後に始まったコロナ感染の陰に隠れ、日本ではほとんど話題にもされなかった。
商業的に見て現実的ではない
コロナ以外・・・
北海道・苫小牧港。東側に広がる出光興産の製油所の隣接地で同製油所の出す二酸化炭素を対象にCCSの大規模実証試験が二〇一二年から進められている。一九年十一月には地下貯留した二酸化炭素の累積量が三十万トンを突破、「日本のCCSの金字塔」と主導した経済産業省は歓喜した。ただ、直後に始まったコロナ感染の陰に隠れ、日本ではほとんど話題にもされなかった。
商業的に見て現実的ではない
コロナ以外・・・