官邸官僚「北村滋」引き際の醜態
公権力を「私物化」する暴挙も
2021年7月号
近く異形の「官邸官僚」が官界を去る、はずである。北村滋国家安全保障局長(六四)。安倍晋三前政権では黒衣に徹すべき諜報の元締めでありながら、むしろ見せつけるようにして「首相との面会回数一位」の冠にこだわったことで知られる。世間では週刊誌が名付けた「官邸のアイヒマン」と言えば思い当たる人もいるに違いない。北村氏はこの呼称を嫌う。確かにアイヒマンは階級が中佐で格下すぎた。ナチ時代のドイツでなぞらえるなら、ふさわしいのは大将の階級で政治警察権力を掌握したゲシュタポ長官のラインハルト・ハイドリヒだろう。風貌もこちらの方が似ている。週刊誌がなぜアイヒマンにしたのか知らないが、思想家ハンナ・アーレントの有名な「悪の凡庸さ」という形容句から連想したのであろうか。
私的な訴訟で「職権乱用」
警備・公安畑の警察官僚。第一次安倍政権の首相秘書官。旧民主党政権から指名されて内閣情報官に就任。政権交代後の第二次安倍政権でも留任し、安倍氏の寵愛を受けて足かけ八年近く「日本版CIA」を標榜する官邸の情報機関「内閣情報調査室」(内調)ト・・・
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