中国がアジア各国で「土地収奪」
貧困国の領土を札束で漁る悪行
2021年7月号
中国が近隣の東南アジアや南アジアの国々で、「土地収奪(ランド・グラブ)」を進めている。
中国企業による契約の多くは、国内の最も豊かな土地を長期間借り上げ、現地住民の食用にならない商品作物を栽培するというもの。ほとんどの農民は生活の糧を失うため、地元当局や政府に対する抗議も噴出している。
中国側は、進出先の政府高官を利権や外交圧力で押さえているため、農民と政府の対立も深刻化している。中国が「ウィン・ウィン(双方勝利)」と呼ぶ、「一帯一路」開発事業の進出手口を紹介しよう。
農民を追い出して高収益農業
今年四月、ラオスの最南部にあるアッタプー県で、中国企業「稼潤有限公司」が五千ヘクタールの土地を借り上げ、大規模農園を造る契約が結ばれた。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも、最も貧しい国の大型事業とあって、首都ビエンチャンでラオス政府高官と稼潤の最高経営責任者(CEO)が華やかな調印式を行った。
総投資額は十億元(約百七十億円)にのぼり、「五万人のラオス国民を雇用し、周辺に・・・
中国企業による契約の多くは、国内の最も豊かな土地を長期間借り上げ、現地住民の食用にならない商品作物を栽培するというもの。ほとんどの農民は生活の糧を失うため、地元当局や政府に対する抗議も噴出している。
中国側は、進出先の政府高官を利権や外交圧力で押さえているため、農民と政府の対立も深刻化している。中国が「ウィン・ウィン(双方勝利)」と呼ぶ、「一帯一路」開発事業の進出手口を紹介しよう。
農民を追い出して高収益農業
今年四月、ラオスの最南部にあるアッタプー県で、中国企業「稼潤有限公司」が五千ヘクタールの土地を借り上げ、大規模農園を造る契約が結ばれた。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも、最も貧しい国の大型事業とあって、首都ビエンチャンでラオス政府高官と稼潤の最高経営責任者(CEO)が華やかな調印式を行った。
総投資額は十億元(約百七十億円)にのぼり、「五万人のラオス国民を雇用し、周辺に・・・