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様変わりの「ユーラシア鉄道輸送」

「中欧班列」がロシアを圧倒

2021年7月号

 ユーラシア大陸の東西をつないできたシベリア横断鉄道が、中国−西欧間の「中欧班列(中国欧州貨物列車)」に、全く歯が立たない。中国側の鉄道輸送が毎月、輸送量の過去最高記録を更新するのに対して、ロシア側はソ連時代から数十年も近代化されないままだ。「ユーラシアの大動脈」という謳い文句は、今や完全に中国に奪われてしまった。
 今年になって、ロシアの運輸業界幹部や鉄道関係者が、クレムリン(大統領府)の呼び出しを受けることが増えている。「シベリア鉄道はどうなっているのか」と、強い調子で詰問されるのだという。
 業界幹部が答えられることは、ほとんどない。何も変わっていないからだ。それどころか、シベリア鉄道についての大半のことは、ソ連時代や帝政時代から、それほど変わっていない。
 在米のクレムリン・ウオッチャーは、「ウラジーミル・プーチン大統領が、中国鉄道の躍進ぶりにひどく腹を立てているようだ。このままでは、ユーラシア大陸の物流事業を中国にすべて持っていかれる。シベリアは完全に発展から取り残されるからだ」と言う。

ほぼ毎月「過去最高」・・・