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連載

新大学評判記 第18話

東海大学医学部 慶應閥に叛旗「パワハラ訴訟」の行方

2021年6月号

 東海大学医学部への慶應大学医学部人脈による支配に、一石を投じる裁判が東京地方裁判所で続いている。東海大学医学部付属病院の医師(准教授。東海大医学部出身)がパワハラにより退職を余儀なくされたとして、上司である慶大医学部出身の教授二人及び病院執行部三人、法人としての東海大学を被告として九百九十万円の慰謝料支払いを求めている。
 訴状によると、発端は教授選挙だった。東海大学は二〇一八年六月に医学部消化器外科の教授選考を行ったところ、原告を含む学内二名、学外二名の計四名が立候補して、同年十二月に慶大出身で平塚市民病院に勤務していた山本聖一郎氏が選出された。
 新教授が決まると、やはり慶大出身で東海大消化器外科の診療科長(領域主任)を務めていた小澤壯治教授が原告を呼び出し、「山本氏と、敗れた原告を一緒に病院に置いておくことはできない」と言い出した。
 原告は付属病院で二十年近く勤務し、多くの患者を抱え、原告の担当を希望して来院する人も少なくなかった。しかも選考後、病院執行部は勤務を継続するよう原告に指示しており、原告も病院に残るつもりだった。
 しかし翌・・・