《罪深きはこの官僚》大村慎一(総務省地域力創造審議官)
ワクチン接種で自治体を「脅迫」
2021年6月号
新型コロナワクチンを巡る混乱は止まらず、各自治体での接種ミスや廃棄ミスのニュースが相次ぐ。各自治体は限られたマンパワーで対応しているが、五月下旬になっても、いまだに七十五歳以上の後期高齢者に「接種クーポン券」を送付できていない市もある。
「総務省は全省を挙げて、自治体を支援するとしているが、実際には脅しすかしで、接種スケジュールを前倒しさせている」
全国紙政治部記者はこう語る。
四月に菅義偉首相が、「全ての希望する高齢者への接種を七月末までに終わらせる」と表明したことで、このデッドラインが「目標」ではなく「ノルマ」と化した。
そもそもワクチン接種業務を各自治体が担うことは従前よりわかっていた。しかし総務省は当初、当事者意識が希薄だった。もともとワクチンや集団接種というものが厚生労働省マターということもあり、準備を怠っていた。
厚労省による自治体向けの接種説明会は昨年十二月にはすでに行われていた。もちろん当時はワクチン手配の見通しが不透明。それでも市町村の担当者は手探りで準備を始めていたのだ。
しかし、総・・・