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政治

「デジタル敗戦国」日本に反省なし

霞が関と「有識者」の不作為は続く

2021年6月号

 長きにわたるコロナ禍は、日陰で隠れていたものを次々と白日の下にさらしてきた。政治家と役人の無能さ、国際オリンピック委員会(IOC)貴族の強欲さ、そして極め付きは、この国のデジタル後進国ぶりである。
 五月二十四日から東京・大阪で始まったワクチンの大規模接種では、パソコンで偽の接種券番号を打ち込んでも予約ができたという信じ難い穴がみつかった。デジタル改革担当相の平井卓也は、「デジタル庁があれば避けられた」と言うが、そんな単純な話ではない。
 地方自治体が運営するコロナワクチン接種の予約システム不具合も横浜、金沢などで次々と明るみに出た。接種券ではなく、個人のスマートフォンにワクチン接種会場と日時があっという間に送信されるアメリカやイギリスとは大違い。先進国で際立って接種率が低いのもデジタル後進国ゆえである。

「奥の院」からのお達し

 昨年五月、全国民に一律十万円を給付する際、無数に起きた手続き上のシステムトラブルをあげるまでもなく、我が国のデジタル行政は連戦連敗だ。給付金支給は、政府の決定・・・