テレビや新聞といったメディアだけが、特別な枠組みで、事実上の「公的コロナ支援」を受けているとすれば、心穏やかではいられない飲食店経営者も多いだろう。
　東京都などに発出されている緊急事態宣言は三度延長された。休業要請を受けている飲食店には、協力金が支払われるが、規模や経営形態によっては限界を迎えようとしている。
　メディア向けの支援策は、通常のコロナ対策予算とは異なり、広報予算の枠組みで支払われている。「なんだ政府広報予算を使った広告料か」と侮るなかれ、これが膨れ上がっているのだ。
「必ず接種できますから、ご安心ください」
　五月二十日から民放各局で放映されているスポットＣＭ内でのアナウンスである。政府広報の表記で流されている「ワクチン確保で安心」篇と銘打たれたＣＭだ。
　最近、民放テレビを視聴していると、昼夜問わず、新型コロナ関連の政府広報ＣＭが流れている。五月に限ってもワクチン関連ＣＭだけで既に五パターンが放映されている。その直前には、「ゴールデンウィークの感染防止徹底」篇や「ワクチンに便乗した詐欺に注意」篇など、断続的なオンエア・・・