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台湾軍は大丈夫なのか?

幹部に多い「親中派」が大問題

2021年6月号

「台湾海峡の平和と安定」が日米欧の主要な外交課題となり、台湾の安全保障に関心が集まっている。そんな中、当の台湾軍は来年一月から大規模な組織改革を行う。これまでの編成単位だった「軍団」を廃止し、台湾全域を五つの「作戦区」にして、それぞれに防衛指揮本部を設置する。「作戦区」は管内の陸、海、空軍とミサイル部隊を統括する。中国人民解放軍の台湾侵攻に備え、軍の横の連携を強化するのが狙いだ。しかし、台湾軍には慢性的な人員不足、管理のずさんさ、武器の老朽化、親中派が多い軍首脳といった根深い問題が数多くあり、「組織を変えただけで戦力増強にはならない」という指摘が根強い。

徴兵制廃止で慢性的な人員不足

 今回の軍の組織変更について、台湾の軍事問題専門家は計画のメリットを次のように分析する。
「軍団の司令部」の廃止と「作戦区指揮本部」設置で、責任者の権限が拡大される。五人の「ミニ参謀総長」が、緊急事態に軍種を横断して指示を出せて、「統合作戦能力」の向上につながる。敵の「斬首作戦」によって台湾軍の中枢が破壊されても、各指・・・