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経済

呪われた森ビル「虎ノ門開発」

三流ゼネコン「大幅遅延」の深刻

2021年5月号

「都市を創り、都市を育む」というスローガンを掲げるデベロッパー、不動産大手の森ビルが、社運をかけたプロジェクトで躓きそうになっている。
 目下、同社の業績は堅調だ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、昨年は一部施設の閉鎖などが実施された。ただ、二〇二一年三月期の中間決算では、収益などが前年比で下落したものの、通期見通しは維持したまま。通期営業収益二千二百五十億円、営業利益四百四十億円をクリアする見通しだと発表している。コロナ禍によるオフィス需要の減退なども囁かれたが、短期的な影響は限定的とみられる。
 東京都港区虎ノ門は、森ビルのルーツとなる土地だ。前身となる森不動産が設立されたのが一九五五年。その直後、虎ノ門交差点付近に西新橋1森ビルと西新橋2森ビルという二棟を完成させて現在に至るビジネスが始まった。虎ノ門周辺にはその後「ナンバービル」と呼ばれる番号が割り振られたビルがニョキニョキと生えるように立ち並び、「森ビル村」となった。
 現在は多くのナンバービルが姿を消し、虎ノ門ヒルズを中心とした大型ビルへと形を変えている。

危機的な「八カ月の遅れ」・・・