菅義偉首相の長男・正剛氏が関わったとされる衛星放送関連会社「東北新社」、ＮＴＴによる総務相経験者や総務省幹部への接待問題が耳目を集めた陰で、ＮＨＫの前田晃伸会長と菅首相の異様な「蜜月関係」が築かれ、公共放送を蝕んでいる。前田氏は首相の要求に沿って大胆なＮＨＫ改革に乗り出すことを次期中期経営計画で宣言したが、その独裁的な手法に内部は猛反発。前田氏が、「これからの時代はコンテンツよりマネジメントが重要」として大胆なコストカットを打ち出し、「放送の質を維持できるのかという不安が現場を覆っている」（ディレクター出身幹部）異常な事態に陥っている。
「改革に抵抗する上司がいたら、私に教えてほしい」。複数のＮＨＫ関係者によると、前田会長は一月下旬に開いた中期経営計画などについて職員と語る最初のオンライン会議で、改革に反対する管理職は自らの権力で飛ばすと言わんばかりの物言いをして、局内では反発の声が広がった。若手職員から「私自身はこの改革に賛成だが、局内では抵抗が強いのではないか」などと質問され、こう言い放ったというのだ。
　その核心は、長年の慣例を破る人事制度改革である。とりわ・・・