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経済

「ESG投資バブル」に踊らされるな

ブームの先は悲惨な結末

2021年4月号

「(二酸化炭素の)世界排出量の六〇%以上を占める百二十七カ国が、ネットゼロ公約を検討しているか、すでに実施しています。増し続ける勢いは、二〇二一年に加速し、世界経済に劇的な影響を及ぼすでしょう」
 八兆ドル超を運用する資産運用世界最大手ブラックロックのラリー・フィンクCEOは一月、公開年次書簡のなかでこう述べた。書簡では八回も「加速(accelerate)」という言葉を使用し、ESG投資の飛躍的成長を予測した。ESG投資とは、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」を意識した取り組みをする企業への投資を行うものである。このESG投資は今、バブル状態にある。
 太陽光発電大手サンパワーの株価は昨年四月時点で四ドルほどだったが、一月には十四倍となる五十四ドルに達した。 こうした急騰にはファンドが一役買っている。投資信託調査会社モーニングスターによれば、二〇年末時点で米国の投資家が購入できる「持続可能なファンド」は前年から三割増加し、三百九十二本にもなった。一四年の百十一本から四倍近くの増加だ。二〇年の資金流入額は五・・・