北朝鮮「瀬戸際外交」の先行き
対米関係「膠着」で焦る金正恩
2021年4月号
三月二十五日午前七時過ぎ、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。昨年三月から約一年ぶりのことである。米国バイデン政権のアジア外交が始まり、北朝鮮の動きが俄かに活発化している。三月に米アラスカ州で開かれた米中外交トップ会談での、双方の激しい応酬は世界的に報じられたが、北朝鮮に与えたインパクトも大きかった。バイデン政権の毅然とした態度を受け、北朝鮮は二〇一九年以降、膠着してきた対米外交をどの方向に動かすのか模索を始めている。ミサイル実験などをちらつかせて挑発を続ける一方で、日中韓に対するアプローチも見え隠れする。
三月中旬、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を訪問して、外務、防衛担当閣僚による協議(2プラス2)を開催し、日米韓三カ国の連携の重要性を強調した。三月十八日朝、北朝鮮の朝鮮中央通信が崔善姫第一外務次官の談話を報じた。金正恩国務委員長の側近とされる崔氏は、バイデン政権が二月上旬から接触を働きかけてきたことを明かした上で「時間稼ぎに応じない」「接触の試みは無視する」と述べ、敵視政策を転換しない限り対話に応じないと、米国を批判したのだ。
米国にとっ・・・
三月中旬、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を訪問して、外務、防衛担当閣僚による協議(2プラス2)を開催し、日米韓三カ国の連携の重要性を強調した。三月十八日朝、北朝鮮の朝鮮中央通信が崔善姫第一外務次官の談話を報じた。金正恩国務委員長の側近とされる崔氏は、バイデン政権が二月上旬から接触を働きかけてきたことを明かした上で「時間稼ぎに応じない」「接触の試みは無視する」と述べ、敵視政策を転換しない限り対話に応じないと、米国を批判したのだ。
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