レアアース争奪は「混戦」模様に
中国独占を崩すライバル続々
2021年4月号
ハイテク産業に不可欠なレアアースをめぐって、世界の資源獲得競争が激化している。
世界の六割を生産する中国が、米中対立の長期化を視野に、輸入管理の方向で動けば、米国のジョー・バイデン大統領は、日本、オーストラリア、インドとの「クアッド」で、レアアースの国際共同開発を進めるよう急いでいる。
レアアースの資源国には、軍のクーデターで揺れるミャンマーや、世界最貧国の一つマダガスカルがあり、獲得競争は地球規模に広がっている。日本は二〇一〇年に、中国から輸出規制を受けた記憶が鮮明で、レアアースの安定した供給チェーン確立が急務だ。
米国は「軍事予算」を投入
インドのナレンドラ・モディ首相にとって、インド洋の島国(といっても日本の一・五倍の面積がある)、マダガスカルは、このところ気になる国である。
首相の地元グジャラート州から、数世紀にわたって人々が移住したという縁だけではない。インドの電子通信産業の発展に不可欠なレアアースが、この国に大量に眠っているからだ。
昨年には、英・・・
世界の六割を生産する中国が、米中対立の長期化を視野に、輸入管理の方向で動けば、米国のジョー・バイデン大統領は、日本、オーストラリア、インドとの「クアッド」で、レアアースの国際共同開発を進めるよう急いでいる。
レアアースの資源国には、軍のクーデターで揺れるミャンマーや、世界最貧国の一つマダガスカルがあり、獲得競争は地球規模に広がっている。日本は二〇一〇年に、中国から輸出規制を受けた記憶が鮮明で、レアアースの安定した供給チェーン確立が急務だ。
米国は「軍事予算」を投入
インドのナレンドラ・モディ首相にとって、インド洋の島国(といっても日本の一・五倍の面積がある)、マダガスカルは、このところ気になる国である。
首相の地元グジャラート州から、数世紀にわたって人々が移住したという縁だけではない。インドの電子通信産業の発展に不可欠なレアアースが、この国に大量に眠っているからだ。
昨年には、英・・・