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社会・文化

「強欲ファイザー」にカモられた日本

ワクチン購入で隠された事実

2021年3月号

 日本でもようやくスタートした新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種。支持率低迷に苦しむ菅義偉総理は失地挽回とばかりに「感染対策の決め手になる」と高い効果への期待を掲げ、東京五輪の開催や政権の延命に望みをかける。ところが官邸主導によるワクチン接種計画はずさんな契約や隠蔽の数々を生みだし、相も変わらず「人災」(政府関係者)をまき散らしているのが実態だ。
 第一号ワクチンへ事実上のゴーサインが出されたのは二月十二日。厚生労働省専門家部会から米国の製薬大手ファイザーと独ビオンテックによる共同開発ワクチンへの安全性や有効性にお墨付きを得た田村憲久厚生労働大臣は、意気揚々とテレビカメラの前に現れ「十分に効果を確認できたという評価をいただいた。速やかに特例承認する」と宣言した。
 無論、人命を奪い続ける感染症の収束は誰もが願うところだ。だが、足元では既にある問題が露呈していた。「二月九日の衆院予算委員会で公明党の大口善徳議員がファイザー製ワクチンについて一瓶当たり打てる回数を問いただしたところ、田村大臣が日本政府は特殊な注射器が確保できておらず接種できる想定数が大幅に減る可能性・・・