をんな千一夜 第48話
夜の銀座に蝶が舞った頃
石井 妙子
2021年3月号
《川辺 るみ子》
国会議員の方々が緊急事態宣言下の東京で夜の銀座に繰り出してしまい、議員辞職や離党といった重い処分を受けるに至った。行き先が夜の新橋の焼き鳥屋でも、果たして同じ処分になったのだろうかと、その点がずっと気になっている。
私には銀座の女性を書いた評伝作品があり、そんなことから時々、「夜の銀座」について取材やインタビューを受けることがある。
今でも忘れられないのは、アメリカ人ジャーナリストを相手にした際のことで、彼は日本人の若い女性通訳を伴ってやってきた。質問はおおむね、以下のようなものだった。
「有名な企業の役員や政治家が銀座の客だというのは本当か」「若い女性を侍らせて酒を飲み、なぜ、スキャンダルにならないのか」「有権者や株主は文句を言わないのか」「妻は知っているのか」「なぜ堂々と仲間を連れて繰り出し、銀座通だと自慢したがるのか」
今思い返してみても、それは緊急事態であるかどうか、といった次元の話ではないのだった。
私は銀座に通う男性を擁護するつもりなどなく、・・・
国会議員の方々が緊急事態宣言下の東京で夜の銀座に繰り出してしまい、議員辞職や離党といった重い処分を受けるに至った。行き先が夜の新橋の焼き鳥屋でも、果たして同じ処分になったのだろうかと、その点がずっと気になっている。
私には銀座の女性を書いた評伝作品があり、そんなことから時々、「夜の銀座」について取材やインタビューを受けることがある。
今でも忘れられないのは、アメリカ人ジャーナリストを相手にした際のことで、彼は日本人の若い女性通訳を伴ってやってきた。質問はおおむね、以下のようなものだった。
「有名な企業の役員や政治家が銀座の客だというのは本当か」「若い女性を侍らせて酒を飲み、なぜ、スキャンダルにならないのか」「有権者や株主は文句を言わないのか」「妻は知っているのか」「なぜ堂々と仲間を連れて繰り出し、銀座通だと自慢したがるのか」
今思い返してみても、それは緊急事態であるかどうか、といった次元の話ではないのだった。
私は銀座に通う男性を擁護するつもりなどなく、・・・