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連載

新大学評判記 第15話

旭川医科大学 一躍有名「パワハラ学長」の実像

2021年3月号

 絶対的権力は絶対的に腐敗する―。英国の歴史家ジョン・アクトン卿の格言として知られる。日本最北に位置する医大が今、絶対的権力者によって揺らいでいる。
 昨年来、学長のパワハラ発言に端を発した問題が噴出している旭川医科大学。国立大学法人としては異例の長期政権のゆがみで組織が悲鳴をあげている。新型コロナウイルス感染が収まらない中で学内の勢力争いに勤しむ様子に、旭川市民だけでなく全国から冷たい視線が送られている。旭川医大固有の問題がある一方で、他の地方医大や国立大医学部が抱えているものと似た病巣もある。
 二〇〇七年に学長選に勝って以来、十四年にわたってトップに君臨し続ける吉田晃敏氏について、就任前後に取材をしたジャーナリストは「『やり手』であると同時に『自信家』だ」と語る。これだけなら決してマイナスではないが、自信はあっさりと傲慢に変容しかねない。
 旭川医大病院の中堅医師もこう批判する。
「自分と意見がぶつかった相手をやり込める性格」
 ある診療部門の医師と吉田氏が運営方針を巡って意見が割れた際に、その場で罵倒し続けた。
 発端・・・