《クローズ・アップ》三部 敏宏(ホンダ次期社長)
脱エンジン「第二の創業」の大役
2021年3月号
ホンダは四月一日付で、八郷隆弘社長が退き、三部敏宏専務が次期社長に就任する。三部氏はホンダの経営トップの登竜門とされる本田技術研究所の社長を経験した技術者で、「王道の社長人事」(ホンダ関係者)といえる。
だが、三部氏が社長として漕ぎ出すグローバル自動車産業の環境は、故本田宗一郎氏の創業時代に匹敵する厳しさになるのは間違いない。電気自動車(EV)、自動運転、カーボン・ニュートラルという避けることのできない三つの巨大な波が押し寄せているからだ。
ホンダを世界的な自動車メーカーに押し上げた最大の技術基盤である内燃機関は、今、EVによって追い詰められている。三部氏は社長交代の会見で「エンジンがなくなることはないだろう」との楽観的な見通しを語ったが、本音ではないだろう。自動車にとってのエンジンの歴史的使命が終わりつつあることは、エンジンはじめパワートレインに長年携わってきた三部氏自身が最もわかっていることだからだ。
多くの専門家がEVの弱点として指摘するバッテリーのコスト、充電容量や充電インフラ、加えてゼロエミッション電源の増強など技術的な課題は技術進化によ・・・
だが、三部氏が社長として漕ぎ出すグローバル自動車産業の環境は、故本田宗一郎氏の創業時代に匹敵する厳しさになるのは間違いない。電気自動車(EV)、自動運転、カーボン・ニュートラルという避けることのできない三つの巨大な波が押し寄せているからだ。
ホンダを世界的な自動車メーカーに押し上げた最大の技術基盤である内燃機関は、今、EVによって追い詰められている。三部氏は社長交代の会見で「エンジンがなくなることはないだろう」との楽観的な見通しを語ったが、本音ではないだろう。自動車にとってのエンジンの歴史的使命が終わりつつあることは、エンジンはじめパワートレインに長年携わってきた三部氏自身が最もわかっていることだからだ。
多くの専門家がEVの弱点として指摘するバッテリーのコスト、充電容量や充電インフラ、加えてゼロエミッション電源の増強など技術的な課題は技術進化によ・・・