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政治

《罪深きはこの官僚》迫井正深(厚生労働省医政局長)

ワクチン「注射器問題」混乱を助長

2021年3月号

 米ファイザー社と独ビオンテック社製のワクチンについて、一瓶につき五回か、六回接種できるのかという「回数問題」が浮上したが、「実は、昨年末の時点でファイザーは厚生労働省側に、注射器を選べば六回接種できることを伝えていた」(政治部記者)という。しかし問題がクローズアップされたのは二月に入ってから。同じ数のワクチンで接種回数が二〇%増やせるか否かという重要問題だが、ファイザーとワクチン供給で正式合意をした一月二十日時点でさえ厚労省はその事実をおくびにも出さなかった。
 新型コロナワクチンは、厚労省が総力体制であたっている。直接の担当になっているのは健康局だが、外国のメーカーなどとの折衝では医薬・生活衛生局も出てくる。いわば厚労省全体の責任だが、回数問題でのネックは注射器であり、この確保に携わるのは医政局経済課だ。ファイザーからの情報が入った時点で厚労省は必要な注射器確保に動いた。しかし蓋を開けると国内ではあまり生産・流通しておらず、あわてて医療機器メーカーに確保を依頼したのだ。厚労省担当記者が語る。
「担当者は目処が立った段階で報告しようと考えた可能性が高い」
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