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政治

五輪政局で「百合子の乱」再始動

《政界スキャン》

2021年3月号

 近く開かれる東京五輪・パラリンピックのトップ級四者会談は、日本側出席者が全員女性になる。組織委員会の橋本聖子会長、東京都の小池百合子知事、政府の丸川珠代五輪担当相。唯一の男性となるバッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長は緊張などしないだろうが、どこかのスポーツ紙は「黒?一点」とつまらない見出しを付けて無用の物議を醸すに違いない。編集者は懲りないオヤジだろう。「女権派」からはSNSに「今まで逆の立場で女が紅一点と呼ばれてきた気持ちが分かるか」という投稿もありそうだ。だが、「紅一点」と好奇の目にさらされた居心地の悪さを「黒一点」の境遇によって思い至らせるというのでは、子供じみた仕返しと変わらない。五輪運営の日本の代表が全員女性なのは、全員男性の場合と同じく異様だと感じても、それは女性蔑視とは違う。
 その意味で小池氏が、森喜朗前組織委員会会長の後任は女性が適任か女性記者から問われて「日本独特の質問だ。女性か男性かではない」とたしなめたのは、今回の問題の核心を突いていた。それでも後任が橋本氏に決まったのは、日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏に禅譲しようとした森氏に、菅義偉首相・・・