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WORLD

「親中」に染まる東南アジア

中国「太平洋二分化構想」が着々

2021年3月号

 米バイデン政権の対アジア政策がまだ固まっていない隙を狙って、中国の習近平政権は対外拡張を急いでいる。自国周辺の国や地域の親米勢力を排除する「裏庭掃除作戦」を進めるほか、東南アジア諸国に対しワクチン外交などを展開し、浸透を強めている。習近平国家主席が以前言及した「太平洋を米中で二分しよう」との構想の実現に躍起になっているが、その強引なやり方は新しい反中感情を引き起こしている。
 ミャンマーの最大都市、ヤンゴンにある中国大使館の前に二月になってから、連日のように大勢の市民が集まり、「中国の内政干渉」に抗議している。
 インターネットには「軍政府のためにインターネットの検閲システムを作ろうとして中国の技術者がミャンマー入りした」「ミャンマー軍の中に中国から派遣された顧問がいる」との噂が流れ、真偽不明の証拠写真も付けられている。
 軍に拘束されている与党・国民民主同盟(NLD)を率いるアウンサン・スーチー氏の支持者らは「二月一日のクーデターの黒幕は中国だ」と主張し、一月にミャンマーを訪問した中国の王毅国務委員兼外相が、ミンアウン・フライン国軍最高司令官と会談した・・・