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経済

米国で「トヨタ不買運動」の予兆

環境問題で「高額制裁金」の深層

2021年2月号

「バイデン政権で起こる『トヨタバッシング』の幕開けか?」(トヨタの内情に詳しい専門紙記者)
 トヨタ自動車が米大気浄化法(CAA)に基づく排ガス制御部品の不備についての報告義務に組織的な違反をしたとされる問題で、一億八千万ドル(約百九十億円)を支払って米政府と和解することで合意した。米環境保護局(EPA)の排ガス報告義務違反による民事制裁金としては過去最大の規模という。
 日本では大きなニュースにならず、トヨタ側の「五年ほど前に報告手続き上の行き違いを認識し、遅れていた報告書を全て提出した。顧客にはすでに対応済みで、報告遅れによる排ガスの影響があったとしてもごくわずか」との弁明を紹介するに留まった。しかし、米国ではニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグ、ZDNetなどが、この問題を大きく取り上げている。
 それにしても解せないのは、トヨタの報告義務違反は二〇〇五年から一五年にかけての約十年間。今から六年も前のことだ。独フォルクスワーゲン(VW)が検査時にだけ排出ガスをクリーン化する偽装プログラムを採用していた問題は〇九年か・・・