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中国「脱炭素計画」の大嘘

無理筋「再エネ大国」に潜む危機

2021年2月号

 中国詩歌史の最高峰であり「詩仙」とも称される李白(七〇一~七六二年)は、奔放な詩風そのままに酒を愛し、放浪の旅を繰り返す天遊の人であった。
 地方暮らしが長かった人生を自らに重ねているのか、豪放磊落な気性に惹かれているのかはともかく、習近平国家主席はしばしば李白の言を演説に引用する。
 昨年十二月十二日にオンラインで開かれた地球温暖化対策に関する多国間会合「気候野心サミット」もそうだった。ビデオ演説で登場した習氏は「天は言わずとも季節は巡り、地は語らずとも万物は生じる」と李白の散文を引くと、「地球は人類共通の唯一のふるさとだ。世界の気候変動対応に新たな道を開こうではないか」と呼びかけた。
 新型コロナウイルスが世界で猛威を振るった昨年は、国際会議のオンライン化が進み、自国を離れる必要がなく国家指導者の参加が容易になった。また、討論なきスピーチ大会と化し、調整力以上に発信力が求められるようになった。

無駄だらけの再生可能エネルギー

 この変化を最大限に活用したのが習氏だろう。例年・・・