「米中衝突」は一段と激しく
「中国封じ込め」強化の新構想
2021年1月号特別リポート
米国の混乱と衰退により、「米国の平和(パックス・アメリカーナ)」が、「中国の平和(パックス・シニカ)」にとって代わられる―。
こんな観測が、世界各地で論じられ始めた。中国の習近平国家主席は、米国での政権交代をはさむ期間中に、中国の立場を一気に強めようと、世界中で外交攻勢をかけている。
しかし、中国共産党には党の支配を永続化させる以外の目標がなく、人類史上の覇者たちが持っていた、普遍的価値観がまるで存在しない。
世界に示すのは、新疆ウイグル自治区や香港のように、民主派や反対派を監視技術と公安警察によって支配する「ディストピア(暗黒郷)」の未来である。
告発された中国政府の非人間性
世界中の関心が、新型コロナウイルス感染拡大に取り付かれていた二〇二〇年の終わり頃。
中国の「中国中央電視台(CCTV)」や「東方衛視」の視聴者たちは、全く別の世界を、連日見続けていた。有人の深海潜水艇「奮闘者号」は十一月、マリアナ海溝で一万九百九メートルの海底に到達した。一方、無人月・・・
こんな観測が、世界各地で論じられ始めた。中国の習近平国家主席は、米国での政権交代をはさむ期間中に、中国の立場を一気に強めようと、世界中で外交攻勢をかけている。
しかし、中国共産党には党の支配を永続化させる以外の目標がなく、人類史上の覇者たちが持っていた、普遍的価値観がまるで存在しない。
世界に示すのは、新疆ウイグル自治区や香港のように、民主派や反対派を監視技術と公安警察によって支配する「ディストピア(暗黒郷)」の未来である。
告発された中国政府の非人間性
世界中の関心が、新型コロナウイルス感染拡大に取り付かれていた二〇二〇年の終わり頃。
中国の「中国中央電視台(CCTV)」や「東方衛視」の視聴者たちは、全く別の世界を、連日見続けていた。有人の深海潜水艇「奮闘者号」は十一月、マリアナ海溝で一万九百九メートルの海底に到達した。一方、無人月・・・