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経済

JR東海「リニア工事」に赤信号

外環トンネル「陥没事故」が直撃

2021年1月号

 リニア中央新幹線は静岡県から工事に「待った」がかけられ、既にスケジュールに遅れが生じている。新型コロナウイルスの感染拡大で、リニア建設の原資を稼ぎ出す東海道新幹線の収益も悪化した。
 JR東海(東海旅客鉄道)が目論む、東京~名古屋間の二〇二七年開業は既に黄信号が灯っているが、さらに追い討ちをかける難題が発生し、信号は赤に変わろうとしている。
 二〇年一月、三菱重工業神戸造船所内で、ある巨大マシンがメディアにお披露目された。JR東海のリニア工事で使用する掘削機、シールドマシンだ。この機械を一旦分解し、品川に掘られた深さ八十三メートルの立坑と呼ばれる穴から地下に搬入、再び組み立ててリニア用トンネルを掘る。同年夏にはシールドマシン組み立てが順調に進んでいることが公表され、まさに二一年初頭から掘削工事がスタートする予定になっていた。

大深度シールド工事に疑問符

 二〇年十月十八日、東京都調布市の閑静な住宅地の一角が突如として陥没した。道路だけでなく、宅地部分の下にも大きな穴が口を開けたのだ。真っ・・・