首都圏私鉄で「再編」が始動
コロナ苦境「京急・京成」が有力
2021年1月号
首都圏で今世紀に入って初の私鉄再編が現実味を帯び始めた。コロナ禍による人の移動の急減で、首都圏の私鉄全社が本業の鉄道事業で巨額赤字に転落、関連のバスやホテルも収益が悪化しているからだ。旅客収入の回復が見通せないなか、安全確保のための経営安定化策として国土交通省は私鉄統合を模索している。なかでも羽田、成田両空港へのアクセス路線を担う京浜急行電鉄と京成電鉄の経営統合は今年、具体化する可能性が高まっている。
京成とJR東日本が乗り入れる成田空港駅。コロナ以前は平日午後には改札にスーツケースを引く乗客が列を成していたが、コロナ以降は人影はまばら。昨年は十二月に入って、中国向けの便が集中する午後にはビジネスマンや帰国者などが増え始めたが、乗降客数は前年の二〇%前後にとどまる。
京成単独でみると、同駅と第二ターミナルの空港第2ビル駅を合わせた一日あたり乗降客数は二〇一九年には約五万七千四百人にのぼり、京成の全駅で六番目。成田空港発着の売り上げは、運賃収入全体の三分の一を占める稼ぎ頭だった。それが大きく落ちこんだことで、京成全路線の旅客平均単価は一九年上期の三百六十七円から・・・
京成とJR東日本が乗り入れる成田空港駅。コロナ以前は平日午後には改札にスーツケースを引く乗客が列を成していたが、コロナ以降は人影はまばら。昨年は十二月に入って、中国向けの便が集中する午後にはビジネスマンや帰国者などが増え始めたが、乗降客数は前年の二〇%前後にとどまる。
京成単独でみると、同駅と第二ターミナルの空港第2ビル駅を合わせた一日あたり乗降客数は二〇一九年には約五万七千四百人にのぼり、京成の全駅で六番目。成田空港発着の売り上げは、運賃収入全体の三分の一を占める稼ぎ頭だった。それが大きく落ちこんだことで、京成全路線の旅客平均単価は一九年上期の三百六十七円から・・・