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米国に広がる「反自由主義」の病魔

リベラル新政権に「短命」の懸念

2021年1月号

 一月二十日に米大統領に就任するジョー・バイデン氏が、共和党の右傾化に頭を悩ませている。
 特に、大統領職を去るドナルド・トランプ氏の熱狂的支持層は、「ファシスト」と形容されるほど、人種差別主義や強権手法に傾斜している。一九三〇年代にナチスにとって代わられた、ドイツの「ワイマール共和国」のように、民主党政権が短命に終わる懸念が、早くも持ち上がっている。
「ニュー・メキシコ州の州都はサンタフェ。では、ニュー・ネバダ州の州都はどこか?」
 米国のSNSで最近、こんなクイズがあった。答えは「そんな州は存在しない」である。
 二〇二〇年十二月、トランプ陣営が大統領選の選挙結果を覆そうと、法廷闘争を続けていた時、ネバダ州の弁護士ロバート・トーマス氏が、一連の訴訟に交じって、「ニュー・ネバダ州、ニュー・カリフォルニア州の分離」を求める準備書面を連邦最高裁に提出した。
 最高裁は書面を却下。訴えは門前払いだった。だが、同氏は意気軒昂で、「ネバダ、カリフォルニア両州とも民主党が優勢で、共和党票は死に票になる。共和党支持層の声を反映する新しい州が必要だ」・・・