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社会・文化

淡路島のテーマパークに閑古鳥 パソナによる「地域振興」に疑問符

2020年12月号公開

 人材派遣大手のパソナグループが運営する淡路島のテーマパークに閑古鳥が鳴いている。
 アニメなどをテーマにした「ニジゲンノモリ」は、島北部の県立公園内に二〇一七年にオープンしたもの。東京ドーム二十八個分のパーク内には、アトラクションだけでなくホテルも併設されている。「入園料無料」を謳い、大きな広場などもあるのだが、それぞれアニメなどを題材にした四つのアトラクションを利用するためには料金が必要で、それがかなり高額なのだ。十月にオープンした東宝の特撮映画「ゴジラ」をテーマにした施設は十二歳以上で一回三千八百円もかかる。他のアトラクションも三千~四千円台の料金が必要なものばかりで、きわめて高額だ。場内のコテージ風のホテルも、部屋が広いとはいえ二人利用の料金設定が税抜き七万六千円から、とかなり強気である。
 入場者数低迷の原因は新型コロナウイルスだけでなく、淡路島というロケーションを考えると高すぎる料金にもありそうだ。パソナの南部靖之会長が旗を振る「淡路島振興」にも疑問符がつく。


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