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バイデン「同盟再構築」の難業

中露との攻防は「劣勢」の様相

2020年12月号特別リポート

 米国のジョー・バイデン次期大統領が、就任早々から西側同盟の再構築に乗り出す。ドナルド・トランプ大統領の「一国主義」外交で、アジアとヨーロッパの同盟網が機能不全になったためで、中国とロシアの脅威拡大に間に合わなくなっていた。
 一方でバイデン次期政権は、新型コロナウイルス感染対策、経済再建、米国内の人種差別問題など喫緊の国内問題を大量に抱えている。バイデン氏の側近の間では「国内再建を優先すべき」との見解が圧倒的だ。
 中国やロシア、さらにイラン政府は、米国の同盟網復活を阻止しようと、トランプ政権の任期中から活発に動いている。
 中でも中国の習近平国家主席は、米国に立て直しの暇を与えないよう外交攻勢をかけており、次期政権は時間との戦いに追われそうである。

トランプ最後の「焦土作戦」

 トランプ大統領のホワイトハウスで、タカ派の指導者であるピーター・ナバロ大統領補佐官にとって、十一月三日の大統領選は、「来るべきものが来た」瞬間だった。
 トランプ氏がどれほど「自分は勝った」・・・