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米国の「再生力」は強靭だ

マシュー・P・グッドマン(国際経済学者)

2020年12月号

 ―トランプ時代はなぜ、21世紀の米国で起きたのですか?

 グッドマン(以下MG) 近年の米国経済の変化が速すぎたことで、変化に対応できない人が大量に生じた。
 二十世紀に、馬車から自動車に替わった時にも、人々は新しい技能を習得しなければならなかったが、二十一世紀のデジタル社会では、一段と高度な知識や教育、訓練が必要で、その習得にははるかに時間や資金がかかる。経済学者や政府は、米国民がもっと簡単に、新時代、新経済に適応できるものだと考えてしまった。
 製造業はもはや安定雇用ではなくなった。こうした発展から取り残された多くの人々は、「政府は助けてくれない」と恨みを抱くようになった。
 経済の変化と同時に、社会思想も進化した。同性愛者の権利や人種差別撤廃の議論を、行きすぎと感じる人が増え、外国人嫌いや人種差別意識を助長した。米国のエリート層への怨念、憎悪が、トランプ支持を伸ばすことになってしまった。

 ―中国脅威論も台頭しました。

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