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連載

広告を裏読みする 第24話

コロナ禍での「初詣CM」の是非

2020年12月号

 新型コロナウイルスの第三波により、新しい生活様式を模索する中、今年は暮れていく。
 師走に入ると例年テレビで流れ始めるのが、神社仏閣が初詣を呼びかけるCMである。仕事納めの前後から流れることも多く、その決まりきった映像は、年の瀬の風物詩の一種と言ってよかろう。
 関東エリアでは千葉県の成田山新勝寺のCMが有名だ。三が日で三百万人以上の参詣客が押し寄せ、ほぼ毎年全国でもトップ3に入る人気を誇ることで知られている。CMなど流さなくとも人が集まりそうなものだが、年末になると民放各局で放送される。ただし今年のCMについては、放送時期や内容について頭を悩ませているようだ。電通関係者が語る。
「例年のように、単純に『初詣は成田山へ』というCMを流していいものか、寺のほうも放送局も困ってしまった」
 理由はもちろん「密」の問題である。元旦から三が日にかけては、例年並みの混雑だと、参拝するまでに二時間以上かかることも予想される。過密時期の参拝客は、むしろ人混みに揉まれることも含めてイベントと認識しているようだが、今年はそうはいかない。新型コロナ第三波襲来の最中・・・